生きる意味って何ですか?

〇〇な話

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●生きる意味って何ですか?・・・●

今度は違う後輩くんからこんな事を唐突に言われたので記事にしてみます

真面目な人ほど陥る悩み

いつのもの様に仲間で集まってワイワイやっていた時の事です、一通り音合わせなんかいっちょ前にやって、バンドの真似事なんかしているのですが、お酒も入りそれぞれ好きなとこに座って寛いでいました

最近仲間に加わった後輩くんが同じテーブルに座ってきました、少しの間当たり障りの無い会話をした後突然唐突に

「あの~〇〇さんは生きる意味って何だと思いますか?」と聞いてきました

私は久しぶりに、とんでもなく難しい突然の質問に戸惑ってしまいましたが、少し間を置いてこう答えました

「色々考え方は有ると思うけど、多分意味は無いんじゃないかな」と

そうすると後輩君は「意味が無いですか・・・」とがっかりした様子だったので、何でそんな事を聞くのかを尋ねると

5年位付き合っていた彼女と最近別れたとの事、そこから何もかも上手く行かなくなった事、仕事も友達付き合いも親との関係も・・・

そこで今までの年月は一体何だったのか、無意味だったのか、積み上げて来たものは何・・・等々色々と深く考えてしまう様になったのだと

私の経験上、大体こういう事を言い始める人は真面目な人が多い、他人にも自分にも割と完璧を求める人が多いように感じる

その点私は自分に自由な分他人にも求めるものは少ない(笑)はっきり言ってそんな私が彼に助言できることは少ないと思うが、せっかく頼ってきてくれたのだから、何かを伝えてあげられればと思う、まあ彼がそれを必要としなければ勝手に記憶から消去するだろう

私は彼にこう言った「じゃあさ、逆に聞くけど生きる意味って今までは何だったの?

彼は口ごもって黙り込んだ、何かを言いたそうだったけど言うのをやめたと言った方が良いかもしれない

私も少し意地悪だったかもしれない、私はきっとこう答えると思ったからだ、彼女です

そう答えてくれれば先に進むきっかけになったのだが私もキッカケを失った形になってしまった

お互いに沈黙したまま数分が過ぎた頃彼が重い口を開いた

答えのない答え

「意味のない人生を生きていて楽しいですか?」と言うので私は少し面を食らった

そうか、そういう意味で捉えたのか、そりゃがっがりした顔もするか・・・

「意味のない人生」と「生きる意味」とは随分かけ離れた言葉だと思うが、今の彼にはその違いさえも気付けないほど心が落ちてしまっているんだなと感じた

私は彼にこう言った

私:「君は息をする時にいちいち考えるかい?さあ、今から息吸うぞ~今から息吐くぞ~って」

彼:「まさか、そんなはず無いでしょう」

私:「だよね、でも何で考えないの?」

彼:「そりゃそんな事考えなくてもできるし意味が無い・・・」

彼はそこまで言って言葉を詰まらせた・・・そして数秒の後私を軽く睨むように振り向き

彼:「それとこれとは話が違くないですか?」

私は笑いながらこう答えました

私:「違うと思えば違うしそうだと思えばそうだろうな~」

黙ったままの彼に、氷が溶けた時の「カラン」の音をきっかけに私は話し始めた

私:「俺もさ、実は若い頃同じ様なことで色々考えたもんだよ、何の為に生きてるのか?また、生きなきゃならないのか?もっと言えば何で自分はここでこう存在してるんだ?なんてね」

彼は黙って聞いている

私:「でもね、結局今でもまだ答えは見つかってないんだよね」

「見つかって無いって言うより、多分それが答えなのかもしれないなって、だからまだ生きていられるんじゃないかなってね」

彼:「あまり言ってる意味が良く分からないんですが・・・」

私:「そうか、ごめんごめん、すぐに哲学的になる癖があってさ」

笑っているところへ他の仲間がやってきて

仲:「何こそこそ二人で話してんだよ、お前らもこっち来て飲め~」と言い残してとっとと去っていった

私:「あのくらい呑気な方が気が楽だぞ」

彼:「はい・・・」

現在地

私:「君はさっき意味のない人生って言ったよね」

彼:「はい」

私:「俺は意味のない人生とは思っていないよ、ありきたりの言葉で言えば、人生は山あり谷あり、まあ俺は谷どころか奈落の底まで落ちたことも有ったけどねw」

「でもそれが人生と思えるまでは相当時間かかったし色々有るから人生は楽しいなんて思えるようになるにはジジイにならないと無理かもな」

「だけど確実に言えることは、生きてて良かったって瞬間が度々訪れることかな、多分それがあるから生きてるんだろうなって」

「何もかも嫌になって辛くて、もう終わりだ、もう先には進めないなんて思うことも人生には必ず誰にでも訪れると思うんだけど、その分の見返りは必ず来ると思ってるよ」

「そんな事は無い、俺はずっと苦労しかしてない、楽しいことなんか一度も無かったって言う人がいるけど、多分それは幸せな筈だった時も楽しかった筈だった時もそう思えない人、そう考えられない人なんじゃないかなって思うよ」

「人は自分の脳内で生きているから考え方次第で人生は大きく変わるからね、おっと少しスピリチュアルみたいになっちゃったけど根本は同じだよ」

彼はずっと黙って身動き一つしないまま聞いていたが、静かに口を開いた

彼:「人生の意味は分かった様な気がしますが、生きる意味とどう違うんですか」

そうか、彼はその言葉に固執してるんだよな、その言葉に対しての答えを聞きたがっているんだから言葉にしないとな

私:「さっき少し言ったけど、君は息を吸う時に考えないで息を吸ったり吐いたりできるんだよね」

彼:「そんなの当たり前じゃないですか!そんな事が聞きたいんじゃないですよ」

私:「まあまあ、でもさ、考えないと息ができなくなっちゃう人も居るって知ってる?」

彼:「そりゃ、あの・・・病気とか、精神的なやつですよね、普通じゃ無い人でしょ?」

私:「普通じゃ無い人ね・・・」

少しがっかりしたが話を続けよう

私:「君は息が普通に吸える普通の人だね、それは良かったし安心もしたよ、でも普通じゃ無い人がいちいち考えながら息を吸うことをどう思う?」

彼:「そりゃ気の毒だと思うし、何でそんな事になっちゃうのかなって思いますね」

私:「それこそが答えだと思うよ」

すると彼は少し時間を置いて

彼:「・・・・・・まだ良くわかりません」

私:「そうか、分かりにくくてすまないね(笑)」

「俺からすれば、・・・まあ今の俺からすればって話だけど、生きる意味は何だって聞かれたら、そりゃ死んでないからって事かな(笑)」

「もっと言えば、まだ寿命が来ていないようだからな、死ぬまで生きるってのが生きる意味かな、本当はもっと格好いい事を言いたいけどね、例えば誰かの為に生きるとか、何かを成し遂げようとしているのでそれを達成するのが生きる意味です!なんてね」

「でもさ、それって生きる意味とは少し違くないかい?どちらかと言うと生き甲斐?って感じかな、生きる意味となると何か死が周りにちらつくんだよ、だってそうだろ?今の君を見てると俺まで苦しく感じるよ」

「人生なんて良いときばかりじゃ無い代わりに悪い時ばかりでも無い、自分次第で何とでもなっちゃう面白い世界なんだよ、今の君に何を言っても飲み込めないかもしれないけど」

「一度奈落の底に落ちたジジイが言ってんだから嘘じゃないよ、振り返ってみるとあの日のあの最悪な出来事があったから自分は成長できたと心から思える日が必ず来るから、それを信じて淡々と進むんだよ」

すると思いもかけず彼の目から大粒の涙がこぼれ落ちた

そうだよな、別れた理由は分からないけれど、5年も付き合ってた彼女と別れなければならなくなってしまった彼の心には何らかの後悔の念があるのだろう

そんな彼に気付いたのかまた例のアイツが来やがった

仲:「あ~お前何泣かせてんだよ!おいみんなこいつ新人君イジメてるぞ!」

とか言いやがって、酒が入るとまったくめんどくせー奴だな~と思っていると、その新人君が

彼:「いや違うんですよ!いま凄く良い話を聞かせてもらって感動してしまって!」

仲:「ウソつけ~こいつにそんな話できるわけね~だろ~~」

と言いながら酔っ払い連中はまた酒に群がって行った・・・

息ができないのは思い込み?

私:「俺さ、実は過呼吸になったことが有ってさ」

彼は気まずそうな顔をしてこちらを見た

私:「俺のキャラだから全くそんな事なんて自分の身に起こる筈無いなんて思ってずっと生きてきたんだよね、俺も全く他人事だと思ってたんだ」

「ところがだよ、仕事が上手く行かなかったり会社自体の経営状態が悪くなったり子供が言うことを聞かなくなったり、原因はそれぞれだよ、それこそ仲間と会うのも億劫になったりね」

「そんな時だったかな、眠れない日が続いてさ、やっと眠れたと思ったら突然夜中に起きちゃったんだよ、そうしたらさ、凄く息苦しいの、立ち上がって慌てて息を吸うんだけどいくら吸っても吸っても苦しいんだよねw」

「あれにはビックリしたよ、だってさ思い切り息を吸い込んでんのに溺れてる感覚なんだぜ、本当にもう死ぬんだなって思ったよ」

彼:「その後どうなったんですか?」

私:「カミさんが隣で寝てたんだけどガバって起き上がって、あんた何やってんの!って言うから、息が苦しいって言ったらさカミさんなんて言ったと思う?」

彼:「大丈夫とかですか?」

私:「普通ならそんなところだと思うんだけど、カミさんったらさ、何食べたの!!だってw俺さその言葉聞いた途端おかしくなっちゃって吹き出しちゃってさ(笑)」

「あんなに苦しかったのにだよ、その瞬間現実に引き戻されたっていうかさ、一気に息苦しくなくなったどころかおかしくなって笑っちゃったんだよね、だって人が苦しんでるのに何食べたの!って言うか?」

彼は苦笑い

「後で聞いたんだけど、カミさんも半分寝ぼけてたみたいで、とにかく苦しそうにしてたから一瞬にして食べたものを喉に詰まらせたと思ったらしいよ、さすがに食欲旺盛なカミさんならではの発想だよ」

そう言うと彼の表情には最初に話し始めた頃とは明らかに違う何かを感じました

私:「多分それなんだと思うよ、生きる意味なんて一つじゃ無く、色々な事がいつの間にか勝手にたくさん絡み合って意味になって行くんだなきっと、だから息してるのと同じ様なものだと思ったんだよな」

私は今の彼の現状になぞらえる様に言った

「息ができなくなる事は誰にでも突然有り得る事だと思うけど、そんなに怖がる事でも無いんじゃないかな、きっと君の周りの誰かがいつの間にか気付かないうちに風の様に助けてくれてるんじゃないかな」

「息ができなくなったら無理に深呼吸なんてしないで、慌てず騒がず静かに時が過ぎるのを待つのが良いのかもね、後で医者に言われたよ、でかい図

体して何ガタガタ騒いでんだよ過呼吸で死にゃしね~よって、口の悪い医者なんだよまったく(笑)過呼吸になったのはその一度だけ」

彼は静かに頷き

彼:「何となく分かってきたような気がします、ぼんやりとですが」

私:「ぼんやりで良いんじゃないかな、もちろん人それぞれだと思うけど、はっきり出ない答えが有っても良いんじゃない?」

彼:「自分の性格上答えが決まらないのは何だか気持ち悪くて仕方ないんですけど、でも今回の答えはぼんやりと分かったというハッキリした答えだと思います(笑)」

私:「おいおい結構強引だね~~まあ本人がよけりゃそれで良いんだけどさ(笑)」

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