スーパーブラック企業に入社してしまったTさんの悲劇

私の知り合いの話になります

彼はそこそこ色々な経験を持ち、簡単に言うと建設関係の事なら殆どの事を難なくこなせる存在なのです、が

年齢が50歳を超えているということも有り、転職は全く考えていませんでした

ところが昨今の不安定な景気や物価高、特にコロナ禍での建設関係への打撃は大きかったようで、そこそこ中堅どころの企業でもアオリを食い、あれよあれよという間に倒産するに至ってしまいました

長年勤めた会社を失くしどうしたものか・・・

仲間内で何かを始めようとも考えていましたが、一応求人募集を見てみようかと・・・これが彼の運の尽きでした、見なけりゃあんな会社と出会うこともなかったのに

畑違いの仕事をやってみようかとも思ったそうですが、歳も歳だし、やはり今までの経験を生かした仕事をするのがいいだろうという訳で

とある建設関係の会社へ面接に行くことに・・・

家から近く、ホームページを見る限りしっかりした会社、ただ給与は日給月給か・・・でも13000円から18000円と有る

交渉してみる価値は有るな、と考えたそうです、まあ私なら日給月給の時点でやめときますけどね

いざ面接へ

面接へ行くと、いかにも建設業の社長といった感じの、イカツイ・ヤクザ感満載の人が現れ面接が始まります

顔の割に物腰は柔らかく話し方も明るい感じで良かったそうです←（当たり前だろ）

今までとは違って殆ど工場内の勤務、たまに現場へ応援に行ったり運搬の仕事が有るとのことで、就業時間は8時～17時と規則正しい生活ができるのではないか・・・？

なんと面接は4時間にも及んだそうです（笑）

朝10時～14時までまったく仕事に関係ない話に付き合わされ、昼飯も何も出なかったそうで（汗）その時点でスーパー自己中＆ドケチに気付くだろ（笑）

給与や福利厚生の話は全く無くいつ終わるか分からない世間話の面接に、さすがに業を煮やし「あの、給与面等はどうなりますか？」と尋ねると、一瞬苦い顔をしたそうです

みんな給与の為に働きに来てるのだから聞くのは当然のことですが、後々分かることですが、その「自己中＆暴君」が面接時には一切顔を出さないアカデミー賞ものの演技派だった事は言うまでも有りません

彼が切り出さなければ、恐らく何も聞けずに夕方になり、「いつから来れる？」なんて事になっていたでしょう（笑）

そして仕方なく本題に入ります「今までどれくらいもらってて、どのくらい欲しいの？」と言う、なので「今まで50万～60万くらいもらってたので手取りで40万位は欲しい」と言ったそうです、すると顔色が見る見る変わり

「いや～うちじゃそんなには出せないけど、働きを見てどんどん昇給させてるから、最初は13000円からかな・・・」と

彼は悩みます、単純に13000円×25日＝325000円・・・

さすがにこんな安月給じゃ暮らしていけない、貯蓄は有るけど毎月目減りしていくな～と思ったそうですが、「どんどん昇給させる」の言葉に騙されてしまったのです（笑）

だってみなさんもおかしいと思いませんか？50歳を過ぎた経験豊富な人材？人財ですよ！それをたった13000円で使うとか、その時点でブラック具合に気付けた筈ですよね

すると畳み掛けるように「来るか来ないかはあなたが決める事だから、うちはもう合格だからいつでもいいから」と

彼も拍子抜けして、普通は後日に面接の結果を連絡してくるだろうに、即来てほしいとか・・・

その時点でも気付くところだろ！と言いたくなります、常に人が辞める会社はいつでもウェルカムですもんね

そこで一応福利厚生を聞いてみたところ、何だか曖昧な返答・・・今後こうなるとかあ～なるとか、じゃあ今はどうなんだよ！と思ったそうですが、とりあえず交通費の2万円は死守したとのことですが、他の人は交通費出してないから内密にと・・・

オイオイ何でそんな会社に入ったのお前は？と思うじゃないですか

すると彼は「いや～小さい会社だけど、ホームページもしっかりしてたし、今から頑張る会社で今後の伸び代を期待したんだよね～一緒に成長できるかも！面白そうかも！って」

そう言えばそうだコイツ、昔から何でもポジティブに考えるところが有ったな、ただ今回は裏目に出ちまったけどね・・・

色々用意も有るし少しゆっくりしたいとの事で、1週間後から仕事を始める事にしたそうです

それから3年が経ち彼は会うたびに「いつかは変わると思って頑張ったけど3年間無駄にしたな、駄目会社はやっぱり駄目会社だ、特に小さな同族企業は絶対に入っちゃ駄目だ・・・」と

入社初日の事

誰が担当ということもなく、誰が面倒をみるということもなく、誰が何を教えるという事もなく、誰からも何の指示もなく（笑）唖然としたそうです

普通は入って初日なら担当者がいて、これやれあれやれと指示が舞う筈なのですが、だれも何も言ってこなかったようです

それどころか、何やれば良いですか？と聞くと、あ～あの人に聞いて、その人に聞くと、あ～あっちの人に聞いてとたらい回し（笑）

後々分かることですが、そんな精神状態にしてしまったのは会社の体質そのもの、この会社は頑張っても駄目な会社そのものだったのです

日本人全滅でやっと教えてくれる外人さんが最初に言った言葉が衝撃だったそうです、それは

「なんでこんな会社に入ったの？ここは動物園だ、人間はいないから、社長は瞬間湯沸かし器で年中怒鳴る、合言葉は30分はサービス残業だ！だし、専務はいつも偉そうに威張ってて、人の失敗は怒鳴るけど自分の失敗は隠すし、バレても偉そうに逆ギレして謝りもしない、あの無駄に事務所に居る娘たちの給与を払うために俺達の給与は一生上がらないよ、世間を知らない娘をいきなり社長にするんだからアホだよなあの娘が社長になってからもっと最悪だよ、仕事もしないで偉そうにいつも見張ってるだけ、あの娘たちは給与泥棒だよ」だったそうで、どう返答していいかさすがに迷い、笑えなかったと言ってました

契約書を交わさない

そんなこんなで、鉄骨の加工等を手伝ったり、ペンキ作業を手伝ったりしながら時間が過ぎ、初日をが終わろうとしていた時のことです

その外人さんが親切に色々教えてくれるのですが

「Tさんは契約書みたいの書いた？」と聞き、彼は「まだ書いてない」と答えると

「この会社は都合悪いことは一切やらない会社だよ、だから契約書も絶対に出さないから、えこひいきしてる奴はボーナスももらってるし、昇給もしてるけど他の奴らは一切昇給も無いしボーナスも無いよ、ドケチな社長だから、特に娘が工場の社長やり始めてからは本当に酷い、自分たちだけ好きな時に来て好きな時に帰って、いい車乗って仕事もしないでやりたい放題だけど、俺達から巻き上げた金で偉そうにみんなの悪口ばかり言ってるよ、家族でやってる会社は駄目だよ、俺も本当に後悔してる、ビザの関係でこんなとこしか入れなかった、最悪だよ、10年近く経つのに給与全然上がらない、本当に給与泥棒だよアイツラは」・・・

言葉が出なかったそうで、その時はへ～そうなんですね位の返事をしといたそうですが、それも後々本当のことだったと分かります、3年経った今でも契約書を交わそうとしないのですから

ただその時は仕事ができないので、そうなってしまってるのではないか？できない人間の言い訳なんじゃないのかな？くらいに思っていたそうです、ところが・・・

突然の早出残業無しにしてくれ攻撃

何となく仕事にも慣れて、そつなくこなせる様になってきた頃のことでした

突然社長室に呼び出され、もしかして昇給の話か！なんてワクワクしていったそうです、すると

「あのさ～悪いんだけど運搬する時の早出と残業無しにしてくれないかな～他の運送屋はみんな出してないんだって」だと

彼は言ってました、ここは運送やか？俺は運送屋に入社した覚えは無い、早出残業がもらえないなら当然早出も残業もしたくない、何を言ってんだこのオッサンは

そこで彼は「今まで早出残業手当付いてましたよね、それが一切無くなるってことですか？」

すると「そういう事だね、そうしないと長く居る人と釣り合いが取れなくなってしまう、君のほうが給与が良くなっちゃうんだよね」だと？

え？え？え？「長くいる人そんなに給与安いの？え？今だって総額40万ももらって無いのに？」とびっくりしたそうです

そこで30年近く働いて居る職人さんに、こんな事言われたと言うと、「そりゃ酷いね、前に居た運搬していた人は残業も早出ももらってたよ」との事、ただ日給は安かったようでそこでバランスを取っていたのかもとの事

さらに衝撃だったのは30年も居るのに日給は15000円しかもらってない、18000円なんて嘘っぱちだよ、他もみんなそうだよ、しかも現場が無い工場勤務の時は13000円しかくれない、こんなブラック企業はさっさと辞めたほうが良いよと・・・

ただ3人のえこひいき連中は別だけどね、とも教えてくれたそうです

有給休暇の無い会社

それでも彼は、「まだ半年だし本当の会社の中身がまだ分からない、もう少しやれば何か変わるかもしれない」なんて期待しながら時は過ぎます←（どんだけポジティブなんだよ）

彼が入社して半年以上が経ち、急用ができてしまったために有給休暇を要求したそうです、すると娘社長が

「あ～うちは有給休暇無いんですよね～」とさらっと悪びれもせずに言ったそうです

さすがにこれには反撃したそうで

「そりゃ～少し無理が有りませんか？会社として違法ですよ？とにかく有給休暇は頂きますから」と言い切った様です、すると思った通り

後日にパパさん登場～～！あの娘社長は何もできずに知識も責任感も無いため、困ったことや面倒なことはすべてパパに丸投げ～～～～～です

言うのを忘れて居ましたがこの会社、工場の方は娘社長で職人の方はパパさんが社長としてやっているようです

話は戻ります

またまたパパさん社長に呼び出された彼はこう言われたそうです

「いつかはこうなると思ってたから良い機会だったよ、ただ早出残業はこれで頼むよ」だと？？

何？どういう事だ？とっくに早出残業は削られてサービス早出残業になってるのに何言ってんだこのオッサン、お前の言う通り有給休暇付けるからあの話は納得しろと言うことか？？

まったくアホなのか、辞める時はしっかり請求させてもらうよと彼は笑みを浮かべてました、今までの日報とタイムカードはしっかり画像で全て残して有るそうです・・・お～怖

その後どうなったかと言うと、工場勤務の人たちは全て有給休暇が付いたそうですが、今までの何十年分の金くれよってみんな言ってたそうです、そりゃそうですよね

今自分がやってる事が軌道に乗るまでの踏み台だからもう少しの我慢だ、それが走り出したらとっとと貰うものもらって辞めるとの事でした

ホームページや見てくれだけ良くても中身がまったく伴わない、まったく中身の無い会社、人を人と思わない、人の中身を見ないで自分の気分次第でえこひいきする同族ブラック企業には気をつけなはれや！！

まだまだこの話は続きますが今日はこの辺で