「何でこんなに暑いの?」子供に読み聞かせてあげてほしい・分かりやすい地球温暖化の話

〇〇な話

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地球温暖化ってなに? ~地球の熱いおふとんと人間のお話~

最近の暑さはたまったものじゃありませんよね、私の若い頃は暑い暑いと言ってもここまでではありませんでしたよ

つい先日、近所の小学校低学年の子供に、「こんなに暑いのは私達のせいなんでしょ?」と聞かれ、思わず心が暗くなってしまいました・・・

「私達」・・・きっとどこかで聞いた事をそのまま言ったのだと思いますが

別にこの子達のせいじゃない、今まで地球の事など何も考えずに自分たちの利益や便利さだけを追求してきた大人たちのせいだよ・・・

はっと我に返り、私はこう言いました、別に君たちのせいじゃないよ、今地球さんは病気にかかってるんだ、だから君も僕も皆一人ひとりがお医者さんになって治してあげなければいけないんだ、だけどね、このまま悪い大人たちの真似をして、地球さんの事を何も考えずにいたらどんどん地球さんの病気は酷くなって、もっと暑くなって・・・もしかすると遠い未来には地球さんに住めなくなってしまうかもしれないんだ・・・

どうすれば地球さんは元気になるの?

子供は素直ですね

子供さんが興味をひきそうな挿絵も有ります、分かりにくいところが有りましたら所々アレンジして頂き、子供さんに読み聞かせてあげて頂ければと思います

1. 地球ってどんな星? 温かい毛布に包まれたお家

地球は、私たちみんなが住んでいる、とっても特別な星です。太陽からちょうど良い距離にあって、水も空気もあるから、たくさんの生き物が暮らせるんです。

地球には、私たちを守ってくれる「空気の毛布(大気)」があります。

この空気の毛布には、色々な気体が含まれていて、その中には「温室効果ガス」という、ちょっと変わった気体があります。この温室効果ガスは、まるで温かいおふとんみたいに、太陽の熱を地球の中に閉じ込めて、地球をポカポカ温めてくれています。もしこの温かいおふとんがなかったら、地球は氷点下でカチコチに凍ってしまうくらい寒い星になってしまうんです。だから、温室効果ガスは、私たちにとってなくてはならない大切なものなんです。

2. なぜ地球は熱くなっちゃったの? ~人間が焚きすぎた火のお話~

昔々、人間は自然の中で動物を狩ったり、木の実を採ったりして暮らしていました。その頃は、自然と調和して生きていたので、地球の温かいおふとんのバランスは、ずっと保たれていました。

でも、数百年くらい前から、人間は「もっと便利に、もっと豊かに暮らしたい!」と思うようになりました。工場を作ってたくさんの物を作ったり、車や電車、飛行機に乗って色々な場所に行ったり、夜でも明るく過ごせるように電気を使ったりするようになりました

こういった便利な暮らしのために、人間はたくさんの「燃料」を使うようになりました。例えば、石炭や石油、天然ガスといった「化石燃料」です。これらは、大昔に死んだ植物や動物が土の中で長い時間をかけてできたもので、燃やすとたくさんのエネルギーが出てきます。

ところが、この化石燃料を燃やすと、困ったことが起きました。燃やす時に、空気の中に「二酸化炭素(にさんかたんそ)」という気体がいっぱい出てくるんです。二酸化炭素も温室効果ガスの一種です。人間は、まるでたくさんの火を同時に燃やすかのように、どんどん二酸化炭素を空気の中に吐き出してしまいました。

考えてみてください。もし、冬の寒い日に、温かいおふとんを何枚も何枚も重ねてしまったらどうなりますか? 暑くなりすぎて、汗をかいちゃいますよね? 地球も同じなんです。人間が出しすぎた二酸化炭素が、地球の温かいおふとんをどんどん厚くしてしまいました。その結果、太陽の熱が地球の中にこもりすぎて、地球全体の平均気温がだんだん上がってきてしまったんです。これが「地球温暖化」です。

3. 温暖化が引き起こす困ったこと ~地球のお医者さんからの警告~

地球が熱くなりすぎると、色々な困ったことが起こり始めます。まるで、私たちの体が熱を出して、具合が悪くなるのと同じです。

  • 異常気象の増加:
    • 猛暑日や熱帯夜が増える: 夏がどんどん暑くなり、夜もなかなか涼しくならず、寝苦しい日が増えます。熱中症になる人も増えてしまいます。
    • 大きな台風や豪雨が増える: 空気の中の熱が増えると、水蒸気もたくさん増えて、それが原因で、今までよりもずっと強い台風が来たり、ものすごい量の雨が一度に降ったりするようになります。川が氾濫したり、土砂崩れが起きたりして、家が壊れたり、人々が避難しなくてはならなくなったりします。
      • 干ばつが増える: ある地域では雨が全く降らなくなり、作物が育たなくなったり、飲み水が足りなくなったりします。
      • 雪が降らなくなる地域も: 寒い地域でも気温が上がって、雪が降らなくなったり、氷が溶けたりして、冬の遊びができなくなったり、雪解け水で生活している人たちが困ったりします。
  • 海の困ったこと:
    • 氷が溶ける: 北極や南極にある大きな氷(氷河や氷床)が、地球が熱くなることでどんどん溶けています。すると、その溶けた水が海に流れ込んで、海の水の量が増え、海面が上がってしまいます。
    • 海面が上がる: 海面が上がると、低い場所にある島や海岸の町は、水に沈んでしまう危険が出てきます。日本の海岸線も、少しずつ後退していく可能性があります。
    • サンゴが死んでしまう: 海の水が温かくなりすぎると、美しいサンゴ礁が白く色あせて死んでしまう「サンゴの白化」という現象が起こります。サンゴ礁は、たくさんの魚たちの住み家なので、サンゴがなくなると、魚たちも生きていけなくなってしまいます。
  • 生き物の困ったこと:
    • 住む場所がなくなる: 地球の気温が変わると、動物や植物が今まで住んでいた場所で生きられなくなることがあります。北極に住むホッキョクグマは、氷が溶けて狩りができなくなり、食べ物がなくなってしまっています。
    • 絶滅の危機: 環境の変化にうまく適応できない生き物は、どんどん数が減って、地球からいなくなってしまう「絶滅」の危機に瀕しています。
  • 食料の困ったこと:
    • 作物が育たない: 気温や雨の降り方が変わることで、今までおいしく育っていたお米や野菜、果物がうまく育たなくなってしまう地域が出てきます。これは、私たちみんなの食卓に影響を与えます。

4. 人間がしてきたこと、そしてこれからすること ~反省と知恵のお話~

人間は、これまでたくさんの二酸化炭素を空気の中に出してきてしまいました。でも、このままではいけないと、世界中の人々が気づき始めています。地球をこれ以上熱くしないために、そして、元の健康な地球に戻すために、様々なことを考え、行動し始めています。

これまでの反省と理解の始まり:

  • 科学者たちの研究: 19世紀の終わり頃から、科学者たちは二酸化炭素が増えると地球が温かくなる可能性があることに気づいていました。そして、20世紀後半には、実際に地球の気温が上がっていること、そしてそれが人間の活動が原因である可能性が非常に高いことが、たくさんの研究によって明らかになってきました。
  • 世界の話し合い: 科学者の研究を受けて、世界中の国々が「この問題を解決するために、みんなで協力しよう!」と話し合いを始めました。1992年には「気候変動枠組条約」という、地球温暖化の問題に取り組むための国際的なルールが作られました。そして、1997年には「京都議定書(きょうとぎていしょ)」、2015年には「パリ協定」という、もっと具体的な約束が世界中で交わされました。これらの約束は、「二酸化炭素などの温室効果ガスを減らしていこうね!」という目標を立て、みんなで協力して取り組むためのものです。

私たちがこれからすること(対策):地球温暖化の対策には、大きく分けて二つの柱があります。

  1. 「緩和(かんわ)」:熱いおふとんを薄くする努力 これは、地球の温かいおふとんを厚くしている原因である温室効果ガスの量を減らす努力のことです。
    • エネルギーを大切に使う(省エネ):
      • 使わない電気は消す。
        • エアコンの設定温度を控えめにする。
        • 冷蔵庫の開け閉めを少なくする。
        • 公共交通機関(電車やバス)を利用したり、自転車に乗ったり、歩いたりして、車の使用を減らす。
        • 物を大切に使い、無駄をなくす(ゴミを減らす)。
    • クリーンなエネルギーに変える(再生可能エネルギー):
      • 化石燃料を燃やして電気を作る代わりに、太陽の光(太陽光発電)や風の力(風力発電)水の力(水力発電)など、自然の力を使って電気を作る方法をもっと増やす。これらは、二酸化炭素を出さない「クリーンなエネルギー」です。
      • 電気自動車や水素自動車など、二酸化炭素を出さない乗り物を増やす。
    • 森林を大切にする・増やす:
      • 木は、空気の中の二酸化炭素を吸い取って、酸素を出してくれる、地球にとって大切な「空気のお掃除屋さん」です。森林をこれ以上減らさないように大切にしたり、新しい木を植えたりすることが大切です。
    • 新しい技術の開発:
      • 空気の中から二酸化炭素を取り除く技術(CO2回収・貯留技術)や、もっと効率よくエネルギーを使える技術など、未来の地球を守るための新しい技術の研究開発も進められています
  2. 「適応(てきおう)」:熱くなった地球で上手に暮らす知恵 これは、もうすでに起こってしまっている温暖化の影響に、私たちがうまく合わせて暮らしていくための工夫のことです。
    • 災害に強い街づくり:
      • 堤防を高くしたり、水を貯める施設を作ったりして、洪水や高潮から街を守る。
      • 危険な場所には家を建てないようにする。
      • 避難訓練をしっかりして、いざという時に備える。
    • 新しい作物の開発:
      • 暑さに強いお米や野菜など、新しい種類の作物を育てたり、育て方を変えたりして、食料が不足しないようにする。
    • 熱中症対策:
      • 日差しを避ける場所を作ったり、涼しい場所で休めるようにしたり、水分補給を促したりして、熱中症から人々を守る。
    • 水資源の管理:
      • 雨が少ない地域でも、水を無駄なく使えるように、貯水池の管理や節水を心がける。

これらの「緩和」と「適応」は、どちらか一方だけではダメで、両方をバランスよく進めていくことがとても大切です。

5. 本当に温暖化をなくして通常の地球に戻せるの? ~未来への希望と挑戦~

「本当に地球を元の姿に戻せるの?」と心配になるかもしれませんね。結論から言うと、元の「完璧な状態」に戻すのは、とても難しい挑戦です。なぜなら、一度空気の中に出てしまった二酸化炭素は、何十年、何百年という長い間、空気の中に残り続けるからです。そして、すでに地球の気温は少し上がってしまっていて、その影響が今後も続くことが予測されています。

しかし、これは「もう諦めるしかない」ということではありません。むしろ、「これ以上、地球が熱くなりすぎないように、今すぐできることを最大限にやろう!」 ということです。

  • 目標は「1.5℃」: 世界中の科学者たちが、「地球の平均気温の上昇を、産業革命が始まる前の時代と比べて1.5℃までに抑えることができれば、最悪の事態は避けられる可能性が高い」と言っています。この1.5℃という目標を達成するためには、2050年までに、世界全体で二酸化炭素の排出量を「実質ゼロ」にする必要があります。これは、二酸化炭素を出す量を、森林の吸収量などで相殺して、全体でゼロにするということです。
  • 私たち一人ひとりの力:繰り返しになりますが、私たち一人ひとりの行動がとても大切です。
    • 電気をこまめに消す。
    • 食べ物を残さず、食べ物を無駄にしない。
    • マイバッグを使ってプラスチックゴミを減らす。
    • 公共交通機関を利用する。
    • 地球に優しい商品を選ぶ。
    • そして、地球温暖化について学び、家族や友達に伝えること。
  • 国際社会の協力: 地球温暖化は、一つの国だけで解決できる問題ではありません。世界中の国々が協力し、知恵を出し合い、技術を共有し、お金を出し合って、一緒に取り組んでいくことが不可欠です。発展途上国と呼ばれる国々も、これから経済発展をしていく中で、二酸化炭素をたくさん出してしまう可能性があります。だから、先進国が技術やお金の面で支援することも大切です。

地球が元の「完全に通常」の状態に戻ることは難しいかもしれませんが、これ以上悪化させないこと」、そして**「少しでも良い状態に戻していくこと」** は、私たちの努力次第で可能です。

例えるなら、風邪をひいて熱を出してしまった体に似ています。一度高くなった熱を完全にすぐに下げることは難しくても、体を冷やしたり、お薬を飲んだり、栄養のあるものを食べたりして、ゆっくりと回復させていくことはできますよね。そして、これからの予防も大切です。

地球は、私たちにとってたった一つの大切な家です。この家を壊してしまわないように、私たち人間は、過去の行動を反省し、知恵を絞り、そして何よりも、未来の子供たちのために、力を合わせて行動していく必要があります。

これは、難しいけれど、やりがいのある挑戦です。私たち一人ひとりの小さな行動が、未来の地球を大きく変える力を持っていることを忘れないでください。未来の地球が、今よりもずっと住みやすくて、美しい星であるために、私たちみんなで力を合わせましょう。

なんて言ったものの純粋な子供の心とは裏腹に、自分さえ良ければ良いという欲深い大人たちがいる限り地球は破滅への道を突き進んでしまうのでしょうか・・・

選択するのはあなたです

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